久々の連休である。思いついて、一言書き込むことにする。
思えば、ここへも、もう数ヶ月投稿していなかった。別段、忙しかった訳でもないが、書くことのむなしさは、いつもついて回り、そこを踏み越えて書くのは幾分かの骨の折れることなのだ。
まっ、そんなことはどうでもいいことだが、とりあえず、前回からの続きで麻生さんについて一言しておこうと思う。
衆議院選挙前後におけるマスコミの麻生さんへの論評は酷いもので、大敗北を喫した後は、それこそボロクソと言ってよい。私は、自民党がポピュリズム政治に堕し、自己崩壊を深めていく中、麻生さんは、よく保守政治を体現し、ぎりぎりいっぱいのところで適切な政策を実行したと思うので、先ずは、お疲れさんと、その労をねぎらいたい。
彼の進めてきた経済対策は、現在も景気後退に歯止めをかけているし、雇用対策についても失業者を出しながらも雇用給付等により深刻な事態を回避させている。こうしたことは正当に評価してやらねばならないと思う。
ただ、麻生さんの失敗は、就任当初、秋葉オタクのように振る舞うなど、馬鹿げたポピュリズムに陥っていたことであると思う。人気取りのための演出は、彼本来の保守主義を曇らせたし、若者には軽い存在として看做され、年配者には愚かな存在と断じられたのではないかと思う。選挙途中からやっと本来の保守主義を標榜しだして、日本の安全・安心を訴えたところで遅きに失していたし、かえって頑固者の年寄りとしてしか映らなかったのではないかと思う。
今、麻生さんが首座から降りて、自民党の後継はと見ると、寒々しいムードが漂っている。谷垣、河野などの半人前の政治家が総裁?候補として名乗りをあげているが、単なる状況主義者で、筋の通った政治思想のかけらも持たないこれらの人物のどこをとったら保守再生ができるのだろうか。
今の自民党は、その自己崩壊を早めるだろうし、民主党も到底政権維持ができないであろうから、またぞろ政界再編の動きが年末くらいから始まるのだろうと思う。
ついでだから、民主党のことについても触れておこう。民主党も、そのマニュフェストに曰く「基礎年金創設」「こども手当創設」「高速道路無料化」などなど、財源の根拠もなく、大衆に迎合した馬鹿げた政策を掲げ、選挙に大勝したら、とたんにビビッてしまって、うろうろしているのが実情であろう。
また、「脱官僚依存」などと官僚の実力も知らないで騒ぎ立てたところで、結局、政治家の愚かしさをカバーしてもらうには官僚に依存せざるを得ないことに早晩なるのだろうと思う。日本では、明治以来、官僚と政治家は同じ穴の狢であり、政治と行政の区別なんか、ちっともないのだから、「脱官僚依存」などと言ったところで空しいことを彼らは知るべきである。
もし、「脱官僚依存」をほんとうに目指すのであれば、官僚と同等の実力を持った頭脳集団を政党が持たねばならないが、今の民主党にはそうした頭脳集団を抱えるだけの実力は皆無と言ってよい。(良いも悪いも、戦後の自民党長期政権を支えてきたのは、官僚出身者が政治家になり、その人脈の中で、政治と行政とが一体?になって行われてきたことである。)
民主党の破綻は、早晩明らかになるだろうが、そのとき、目先の欲に駆られて客観的な政治判断ができなかった国民とそれを煽り立てたマスコミは、己の責任ということをしっかりと考えてもらいたいと思う。決して、「やっぱり政治は駄目だ」などと他人事のように言わないでもらいたい。
「麻生政権は、いまや風前の灯!」というのが今の報道トーンである。確かに支持率は20%程度まで落ち込んでいて、やれ、定額給付金は無駄遣いだとか、消費税を上げるなどとんでもないなどと批判が渦巻いている。
だが、まってくれ。今、政治家の中で少しでもまともな発言しているのは麻生さんだけではないか?
定額給付金だってそうだ。普段、税金が高いとか、政治に信用がおけないとか言っている人に限って、そんなものにお金を使うより他に使い道があるだろうなどと言っている。それって、おかしいだろう。政治不信ならば、払った税金が戻ることに何の異議もないだろうし、それを自分で有効に使った方が理屈にあっているはずだ。
それに今厳しい状況に置かれているのは庶民であろう。払った税金が戻ってくることに誰が反対するのか?もう少し素直になったらどうか?私は、給付金を喜んでいただくし、早く支給されることを望んでいる。
民主党の諸君の屁理屈とマスコミの無責任な論調に庶民が乗せられて、こうしたことに意味もなく反対するのは愚かしいと思う。彼らは、世の中を混乱させるためにたせけ動いているとしか考えられない。
消費税についてもそうだ。破綻寸前の年金・介護・医療等の社会保障を立て直すには、やはり財源として消費税の増税が必要であろう。そんな当たり前のことがなぜ理解できないのか。あてにもならない行財政改革でその財源が生み出されるなどという非現実的な議論がまかりとおるなど愚かしいにもほどがある。
もちろん、行財政改革は必要な部分は徹底してやるべきだし、その点については民主党もよくやっていると思う。だが、社会保障の安定化と行財政改革の徹底は別次元で考えるべきであるし、社会保障は何よりも安定的な財源の確保が必要であり、その意味で消費税を目的税化し、その固定財源とすることは必要不可欠なことである。
それにもうひとつ、麻生さんは現在75兆円にのぼる景気対策を打ち出しており、世界の中で日本が一番にこの危機から脱するとしているが、この主張も的を得ている。個々の中身については問題のあるところはあるが、緊急対応という意味ではほぼ合格点ではないか。
現在2次補正までは一応の結論を得たが、早く来年度予算と関連法案を成立させて、実行に移してもらいたいものだ。
麻生さんにしてみれば、選挙を意識して、庶民よりの大博打とも言える施策方針を打ち出しているのだと思うし、その点で今回の方針は納得できるものが多いと思う。そうであるにもかかわらず、その方針に無理やり難癖をつける民主党とマスコミの無責任さに一庶民として憤慨するし、そんな中、健気にがんばっている麻生さんには小さなエールを贈りたい。
正月休みが9日間もあるということで、読書三昧の日が続いている。好きで読んでいるんだけれど、読めば読むほど、己の不勉強と愚かさみたいなものが浮き立ってきて、自分ながら情けないように思う。
まっ、あせっても仕方がないので、このまましばらくは「手当たり次第に」読んでいくこととし、その中で何か見えてくるのではと期待している。
知識などいくら詰め込んでもどうにもならないことは解っているが、その知識がなければ思うことの半分も表現できないことも事実であり、いつになったらそんなレベルまで自分が到達するのか?永遠にこないのかもしれないと、ふと、思ったりもする。
ただ、世の中の動きを見ていると、どうにもならないような切羽詰った状況が展開している訳で、これに対しては勉強不足とは言え、発言していかなくてはならないと思っている。これまでもそうしてきたが、自分なりにポイントを押さえて喋っているつもりでも、後で読み返すと皮相で直感的な発言ばかりのような気もする。もっと本質的な捉え方が必要だし、表現方法にも工夫が必要だと思う。
当て所のない読書三昧ではあるが、いつか我が血と肉にならんことを!
世の中は不況である。しかし、いまいち深刻さにリアリティがない。何故だろうと思うが、これは今回の不況について誰もその本質を理解せず、解決への手法を示すことができず、ただただ現象面への対応に終始しているからだろうと思う。
マスコミは派遣労働者の首切りばかり問題にし、一向に今回の不況の本質に目を向けない。政治家も行政も、なかばあきらめ顔で、対症療法的な雇用対策や中小企業対策に終始している。
肝心な企業はどうかと言えば、これまた企業防衛ばかりに意を用いて、製造業は生産規模を縮小し様子見ばかりしているし、金融業界も評価損の処理ばかりに気をとられている。
労働者の側は、これまた情けないかぎりであるが、戦う気力もなく、被害者然として悲鳴をあげるばかりである。「連合」の会長の言い草には笑ってしまったが、「今回の失業に対して企業の側も配慮してもらいたい。」などとフザケきった発言をしている。
今回の「派遣切り」は、まるで連合傘下の組合とは関係がないかのような認識の下で、未組織労働者への恩恵的な配慮を企業もすべきだと言っているようにとれるのである。情けないかぎりだ。今の労働組合に期待などする気もないが、それにしてもここまで堕落していることに開いた口が塞がらない。
労働組合は、もっともっと先鋭的になるべきだ。傷んでいるのは何もは非正規雇用者だけではない。正規雇用者も同様に傷んでいるのだから。派遣切りにあった労働者諸君も、同情を買うような姿勢ではなく、勝ち取るべきものは己の手で勝ち取るようがんばるべきである。
日本の未来を考えると、それぞれのセクションがもっともっとがんばらなければ、ジリ貧になっていくしかないように思うのだ。
温暖化のせいか、ちっとも年末なんて気がしない。スキー場でも雪が少なくて商売にならないそうだ。まっ、それでも、世の中、不況の風が冷たく吹いていて、年越しの心配をしなければならないという意味では、確かに年の瀬のムードが漂っている。
いつものとおり、仕事に追われて、ここにもしばらくこなかったのだが、忘れられても困るので、雑感めいたことを思いつくまま書いておく。
円高とアメリカ経済の悪化から我が国の自動車業界は軒並み業績悪化予想を打ち出し、派遣社員など非正規雇用社員の大量解雇に踏み切った。
自動車業界には確かに逆風が吹いていることは確かだが、今回の業績悪化予想は先回りしすぎてはいないか?もしくは意図的ではないのか?リスク回避のためもあるだろうが、対アメリカ向けのパフォーマンスか、大量解雇への非難回避のための措置なのではないか?
それはともかく、自動車業界は、その社会的責任という意味で、大量解雇を当然のように行ってよいものか?普段、政治に対してあれこれ口出しし、企業の社会貢献を恩着せがましくおしゃべりしているが、いざとなれば平気で切り捨ててしまう無責任さは社会的に非難されてしかるべぎだと思う。
マスコミにも一言しておこう。マスコミの最大の広告主たる自動車業界に対して批判もできないようでは、正義派ぶってジャーナリズムでございなどと言わないでもらいたい。情けない人間たちである。
政治家にも一言。前に小泉首相を亡国の輩と称したことがあるが、派遣法を製造業まで広げ雇用の安定を政治から切り捨てた罪は極めて重いと承知せよ。今の政治家諸君も、企業責任による雇用安定をすみやかに実現するよう行動せよ。
一方、国民諸君も、解雇の憂き目にあおうとあわなかろうと、被害者ぶっていても仕方がない。国民の雇用を守るために今こそ行動すべきときではないのか?などと思うのだが・・・。