山形県から福島県にかけて広がる吾妻連峰に登山していた会社員が遭難し、12日ぶりに自力で生還した事故についてである。
冬山というのは、どんな注意をしたところで天候次第で常に死と隣りあわせである。事故にあった会社員は、25年の登山暦を持つベテランであったというが、それでも危険の度合いは変わらずにある。
無事に帰られたことをまず喜びたい。また、地元の山岳会や消防、警察関係者の皆さんのご苦労に感謝したい。
ご本人は記者会見し、迷惑をかけたことに対し素直に丁寧に謝罪し、もう二度と山には登らぬと言ったが、その態度は、非常に謙虚で好感が持て、あーりっぱな山男だなと思った。で、今回のマスコミの報道も一部を除いて、概ね本人を責めるようなことはせず、帰還を喜ぶといった論調であったことは、これまた結構なことであった。
事故はいくら周到な準備をしていても起こるべきときは起きるのだと思う。結果起こってしまったときにその責任を必要以上に追及することは酷であると思う。中高年の無謀登山はともかく、半分は死を覚悟して冬山に登る人々に対して世間は寛容であってほしいと思う。